2026年10月27日

生成AIを活用した医療文書向け
文章生成ソリューション「CocktailAI」の
有用性評価論文が、
国際学術誌「PLOS Digital Health」に
掲載されました

当社連結子会社であるフィッティングクラウド株式会社(以下「フィッティングクラウド」)は、京都大学医学部附属病院(三宅 正裕 特定講師ら)との共同研究にて、生成AIを活用した医療文書向け文章生成ソリューション「CocktailAI」の有効性を検証する臨床試験を実施しました。本研究成果をまとめた論文が、2026年10月27日に国際学術誌「PLOS Digital Health」にオンライン掲載されましたのでお知らせいたします。

同誌は、公共科学図書館(PLOS)が発行するオープンアクセス誌で、デジタルツールやデータサイエンスを活用した医療・ヘルスケアの変革を目指す研究を幅広く扱っています。

■ 共同研究の背景と「CocktailAI」について

厚生労働省が推進する「医師の働き方改革」において、医師の業務負担軽減が強く求められています。特に電子カルテや退院サマリー、診療情報提供書などの文書作成タスクは時間的負荷が大きく、生成AIの活用による効率化が期待されています。

フィッティングクラウドは、2023年10月より京都大学医学部附属病院と生成AIを活用した文書作成の省力化に関する共同研究を開始いたしました。

その取り組みの一環として開発された「CocktailAI」は、電子カルテの記載内容から文書草案を生成するソリューションです。独自のテンプレート構造により必要な情報を抽出するほか、生成文章の根拠となったカルテ記載を対比表示することで、医療現場で懸念される生成AIの虚偽情報(ハルシネーション)や事実誤認リスクに対応しています。

実臨床で安全かつ効果的に運用するためには、医師が最終確認・修正を行う「Clinician-in-the-loop」ワークフローの確立が欠かせないことから、本臨床試験にて「Clinician-in-the-loop」ワークフローを前提とした文書の作成時間と品質の実証評価を行いました。

■ 研究の概要と成果

本研究では、眼科の模擬患者記録(疑似カルテ)6症例を用いたパイロット無作為化比較試験を実施しました。なお、フィッティングクラウド代表の岡本 和也および研究開発チーム(サントス ルシアーノ エンヒケ デ オリヴェイラ)も本論文の共著者として参画しています。

京都大学医学部附属病院眼科の医師21名(完了17名)を対象に、CocktailAIの草案を医師が修正する「Clinician-in-the-loop群」、医師が手動作成する「Clinician-only群」、人間の確認を挟まない「LLM-only群」の3通りで、退院要約と紹介状の作成時間および品質を比較検証しました。

・品質の向上
専門家による多角的な品質評価において、医師がAI草案を修正する「Clinician-in-the-loop群」が、医学的正確性や言語表現、全体品質など大部分の項目で手動作成(Clinician-only群)を上回る結果となりました。
・作成時間の変化
主要解析での明確な有意差は出なかったものの、感度分析では退院要約の作成時間で平均59.4秒の短縮を確認しています(紹介状は手動修正により時間を要する傾向)。
・AI単独の限界
AIのみ(LLM-only群)の出力は最も短時間だった一方、品質評価は最低水準にとどまり、品質基準を満たしませんでした。

これらの結果は、AIに任せきりにするのではなく医師の能動的な介入(Clinician-in-the-loop)を組み込むことで、文書の質を高めつつ作成負担を軽減できる実効性を示しています。なおフィッティングクラウドは、CocktailAIの共同開発に加え、本検証に向けた評価システム(専用Webアプリケーション)の構築を担当しました。

■ 今後の展望

「CocktailAI」は、院内文書作成システム「DocuMaker」との連携に加え、単体版「CocktailBar」をはじめ、多様なシステムとの連携ラインナップを拡充しています。今後も急速に進化するAIモデルへの追従や導入環境の柔軟性を高め、より多くの医療現場において医師の業務負担軽減と医療の質の向上に貢献してまいります。

■ 論文情報

掲載誌PLOS Digital Health
論文タイトルEvaluating an LLM-assisted workflow for clinical documentation: A pilot randomized controlled trial on time and quality
(邦訳:臨床記録作成におけるLLMを活用したワークフローの評価:所要時間と品質に関するパイロット無作為化比較試験)
著者髙山智大、佐渡恵奈、須田健二、田村寛、上田奈央子、石原健司、植田雄大(以上 京都大学)、岡本和也、サントス ルシアーノ エンヒケ デ オリヴェイラ(以上 フィッティングクラウド)、大鹿哲郎(筑波大学)、黒田知宏、辻川明孝、三宅正裕(以上 京都大学)
DOI10.1371/journal.pdig.0001799
URLhttps://journals.plos.org/digitalhealth/article?id=10.1371/journal.pdig.0001799

■ 用語解説

Clinician-in-the-loop(クリニシャン・イン・ザ・ループ):
AIの生成結果をそのまま使うのではなく、専門知識を持つ医師がプロセスの途中で検証・修正・最終確認を行う運用手法。生成AIのハルシネーション(虚偽出力)による医療事故リスクを防ぐために重視されています。

■ 関連ニュース(フィッティングクラウド株式会社 外部サイト)

※本件のプレスリリース全文・製品詳細は、上記フィッティングクラウドWebサイトをご覧ください。

■ 本件に関する問い合わせ先

フィッティングクラウド株式会社
MAIL:info@fittingcloud.co.jp

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