環境への取り組み(E)

環境への取り組み

当社は、病院における診療フローや自治体の決裁フローのデジタル化・効率化を促進し、紙を使わないワークスタイルの確立を通じ、環境負荷の低減を実現いたします。また、2025年までに1億円のESG投資枠を設定し、関連企業への出資を検討しております。CO2排出量の削減や脱フロン対策、水資源の確保やクリーンエネルギーの推進など、持続可能な社会の構築に関連した取り組みをサポートすることで、間接的に環境保護へ貢献いたします。

気候変動・環境汚染への取り組み

適合するSDGsの目標 指針
SDGs目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう SDGs目標15:陸の豊かさも守ろう

ペーパーレス化を促進

  • 電子決済・公文書管理システムの導入で、環境保全活動の側面からも自治体をサポート
SDGs目標12:つくる責任つかう責任 SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を SDGs目標15:陸の豊かさも守ろう

社内・社外資料の電子化、印刷資料の削減

  • サプライヤーより指定がない場合、資料をデータにて保存&管理、送受信を実施
  • FSC(環境配慮型承認紙)を積極的に採用
SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を SDGs目標15:陸の豊かさも守ろう

クールビズ・ウォームビズの通年化

  • 過度な冷暖房の使用を控え、冷房時は室温28℃、暖房時は室温20℃に設定
  • その日の気象状況や体調等、個々の事情に応じ、適宜判断して快適で働きやすい服装に努める。

TCFD提言に基づく情報開示

気候変動に対する基本的な考え方

当社は、プライム市場のコーポレートガバナンスコードに則り、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づいた気候変動が事業に及ぼすリスクと機会に対するシナリオ分析を実施し、関連する情報の開示に努めます。
ソフトウエア業界は操業による温室効果ガス(GHG)の排出量が少ない産業ではありますが、当社は、気候変動問題に対し適切な体制の下で事業リスクや機会を把握・監視し、課題へ対応することは、持続可能な社会の形成を目指すにあたり非常に重要な取り組みであると考えております。
2050年カーボン・ニュートラル宣言など、社会全体で脱炭素を目指す機運が高まっている中、当社はカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)の開示システムへの回答を実施しております。同時に、前述のとおりTCFDの提言に賛同を表明し、その枠組みに沿った開示を以下の通り実施いたします。引き続き脱炭素社会形成に貢献すべく、TCFD提言への賛同を契機に、より一層の気候変動対策を推進していきます。

ガバナンス

当社は、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取り組みを推進するため「サステナビリティ委員会」を設置しています。
当委員会は、代表取締役・管理部長・執行役員が委員として構成され、気候関連課題の現状確認、課題解決に向けた協議・対策として当委員会で年2回施策を検討・策定・評価する場を設けました。当社の環境問題への対応について共有・監督を行い、報告された気候関連リスク及びそれに対する対応方針について討議し最終決定し、討議決定された対応方針はサステナビリティ委員会からサステナビリティ事務局を通じて各部署の事業活動に反映され、対応状況がモニタリングされます。
これらの体制の下、最重要テーマである気候変動対策についても、取り組み状況をステークホルダーに向けて積極的な情報開示を行うと共に、継続的に改善を行いながら環境マネジメントシステム等の仕組みを通じて管理し、その結果についてマネジメントレビューを行っています。

戦略

当社は、気候変動のリスクと機会を適切に把握するため、2つのシナリオを設定し、「気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢性」について分析を行いました。
一方「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」について分析を行いました。

◆シナリオの設定

気候関連リスク・機会の分析においては国際的に認められた複数の気候変動シナリオを参照しています。

2℃シナリオ 脱炭素社会の実現へ向けた政策・規制が実施され、世界全体の産業革命前からの気温上昇幅を2℃未満に抑えられるシナリオ。移行リスクは高いが、物理リスクは4℃シナリオと比較すると低く抑えられる。 ■IPCC
Shared Socio-economic Pathways(SSP 1.9)
Shared Socio-economic Pathways(SSP 2.6)
■IEA
Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)
4℃シナリオ パリ協定における国別目標など、公表済み目標が達成されることを前提としたシナリオ。新たな政策・規制は導入されず、世界のエネルギー起源CO2排出量は継続的に増加する。移行リスクは低いが、物理リスクは高くなる。 ■IPCC
Shared Socio-economic Pathways(SSP 8.5)
■IEA
World Energy Outlook

◆シナリオ分析手順

  1. Step1
    重要な気候関連リスク・
    機会の特定と
    パラメータの設定
    • 気候関連リスク・機会の抽出
    • 重要性の高いリスク・機会に評価
    • 重要性の高いリスク・機会に関連するパラメータの設定
  2. Step2
    気候関連シナリオの設定
    • Step1の情報等をふまえ、既存シナリオのうち関連性の深いシナリオを特定
    • 気候関連シナリオ(社会像)の設定
  3. Step3
    各シナリオにおける
    財務インパクトの評価
    • Step2で設定した各シナリオとStep1で特定した重要な気候関連リスク・機会と関連パラメータをふまえ、各シナリオにおける財務インパクトを分析
  4. Step4
    気候関連リスク・
    機会に対する戦略の
    レジリエンスの評価と
    更なる対応策の検討
    • 気候関連リスク及び機会に対する当社戦略のレジリエンスの評価
    • 更なる対応策の検討

◆シナリオ分析結果

シナリオ分析を行う上では、当社の主要事業に対して具体的な検討を行い、2030年時点における主要なリスク及び機会による定性的な分析を行いました。

大分類 中分類 小分類 事業インパクト 影響度
リスク 移行リスク 政策
・規制
脱炭素税導入・炭素税率の上昇 法規制による税負担の増加や、医療機器の製造における使用可能な原材料や製造方法に制限がかかる可能性があります。
市場 消費者選好の変化 環境負荷軽減への顧客ニーズを充足できないことによる、事業機会の喪失に繋がります。
評判 不十分な情報開示に対するステークホルダーからの批判 気候変動問題への対応が不十分とみなされることによるステークホルダーからの評価低下 、採用コストや資金調達コストの増加、株価へ影響します。
物理リスク 慢性 原材料の安定供給の悪化、調達コストの増加 平均気温の上昇に伴うデータセンターの空調負荷上昇による電力コストの増加と、それを価格転嫁できない場合の財務リスクがあります。
急性 異常気象の発生割合・
深刻度の増加
異常気象・自然災害によるデータセンターの倒壊や自社内サーバーの損壊に伴うデータの消失、人的災害の発生による業務・サービスの停止の可能性があります。
機会 - エネルギ
ー源
省エネルギー技術導入の推進 製造コストの削減につながります。
エネルギー安全保障・
深刻度の増加
気候変動問題への積極的な関わりによるステークホルダーからの評価や企業価値の向上。社会の環境負荷低減に貢献する製品・サービスの売上拡大が見込まれます。
製品とサ
ービス
脱炭素社会への移行の
支援に貢献するサービス
環境に配慮した経営への社会的要請の高まりから、当社グループが提供するDocuMaker、C-Scanなどオンライン化、ペーパーレス化を推進するサービスの需要が増加。医療システムのクラウド化により現地往訪機会を減少させ、CO2排出を減少させるサービスとして売上向上が見込まれます。
市場 新規市場へのアクセス オンライン診療やGAPの普及により、患者の移動負担が軽減され、移動に伴うCO2排出量が削減されるサービスとして売上向上が見込まれます。
レジリエンス 原材料の安定供給の悪化、調達コストの増加 開発・販売拠点を分散させることにより、常に環境に最適な拠点から顧客へアプローチを行うことでリスクの分散を行います。

リスク管理

[気候関連リスクの識別・評価プロセス]

〈リスク識別プロセス〉
気候関連リスクについては、代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会において、年2回各部署から集約された情報を元に洗い出しを行い、「頻度」と「当社の事業に及ぼす影響度」の2軸で評価し重要度を決定します。

〈リスク対応の優先順位付けプロセス〉
影響度と頻度を掛け合わせ、「重要度」と「対応難易度」の2軸にて対応の優先順位をつけたうえで、特定された重要なリスクに対しては対応方針を策定しております。下図は、今回のシナリオ分析におけるリスク分析の結果です。

重要リスクの優先順位付けプロセス

重要リスクの優先順位付けプロセス表
  • 影響度
  • ③大:1億円~
  • ②中:1000万~1億円
  • ①小:~1000万円

頻度
(本格化する可能性)

リスク影響度・頻度が高いリスクを
最重要リスクとして定義

リスク対応策の優先順位付けプロセス

リスク対応策の優先順位付けプロセス表

対応難易度
(対応策の実施難易度)

リスク重要度が高く、対応難易度が低い
対応策を最優先対応策として定義

[気候関連リスクの管理プロセス]

サステナビリティ委員会において識別・評価された気候関連リスク及びそれに対応する方針は、少なくとも年2回以上、必要に応じて取締役会に報告されます。
取締役会は、報告された気候関連リスク及びそれに対する対応方針について討議し、最終決定をします。取締役会において討議決定された対応方針は、サステナビリティ委員会からサステナビリティ事務局を通じて各部署の事業活動に反映され、対応状況がモニタリングされます。

スコープ1,スコープ2及びスコープ3におけるGHG排出量の実績(2022年度)

Scope113 tCO2
Scope2209 tCO2
Scope34,093 tCO2
合計4,315 tCO2

▲ ページの先頭へ