2020年09月30日
当社は、自社開発のヘッドマウントディスプレイを採用した新バージョンの視線分析型視野計「GAP」を、2021年初頭に販売開始します。
当社の視野検査装置であるGAPシリーズに、新たに自社開発したヘッドマウントディスプレイを採用し、2021年初頭に販売開始いたします。GAPシリーズは、昨年販売を開始した精密視野測定装置の「GAP-screener※1」および今回販売を開始する静的量的視野計「GAP※2」の2機種になります。
検査装置の心臓部でもあるヘッドマウントディスプレイを自社開発したことにより、アイトラッキング※3 のフレームレート※4 が大幅に向上しました。GAPでは被検者の視線の動きを分析することで網膜の状態や見え方を計測しますが、この性能の向上によってより微細な動きまで分析することが可能となり、独自開発の可視判定AIを組み合わせることで、さらに高精度な視野検査が行えるようになりました。これは、一般的な他社のアイトラッキング機能付きヘッドマウントディスプレイの検出フレームレート※5 が60~70fpsなのに対し、当社では120fps※6 と非常に高い水準を実現したことによります。
また、この装置の表示部にはシャープ株式会社(本社:大阪府堺市 代表取締役社長:野村 勝明)の有機ELディスプレイを採用しており、本製品向けに同社と共同開発した専用チップセットを用いて駆動させています。当ディスプレイは、コントラストや発色、階調などにおいて精密な表現を実現する高いスペックを持ち、旧バージョンのGAPシリーズで採用していたディスプレイの7倍以上の明るさを実現しています。さらに、ヘッドマウントディスプレイ全体で400gと旧バージョンから約3割の軽量化を実現しました。
緑内障などによって視野異常がある場合、明るさを認識する感度が落ち暗い部分が見えないことがある為、徐々に明るさをあげて検査を行い、明るさの段階と被検者の年齢によって病気の進行度合いを判断します。今回開発したGAPでは、明るさの向上によって一般的な大型の視野計と同等の感度計測が可能になりました。
新しい「GAP」では新開発のヘッドマウントディスプレイに加え、もう一つの心臓部でもある分析プロトコル及びプログラムにおいてもさらなる機能向上を図っています。アイトラッキングの精度向上に加え、AIを用いた新しい視線分析ロジックを採用したことで、今まで以上に高品質なデジタルデータを詳細に取得することが可能になりました。また検査速度においても、スクリーニングモードでは両眼で3分前後かかっていた検査が2分前後にまで短縮されています。
新しいGAPは、視野検査を中心にデジタル化された眼に関するバイタルデータを取得することで診断に貢献していきます。また今回自社開発したヘッドマウントディスプレイ装置は今後、緑内障だけでなく認知症など様々な疾病の早期発見や効果的な治療の研究に貢献することを目指します。
新デバイスおよび新プログラムも完成し、製品の量産を開始しました。販売開始については2021年初頭を予定しております。詳しい日程が確定しましたら改めてお知らせいたします。
製品詳細については下記ページをご覧ください。
https://findex.co.jp/news_release/2020/new_gap.htmlなお、GAPシリーズの開発及びシャープ社とのチップセットの開発は、当社の連結子会社EMC Healthcareと共同で行っています。