2025年10月24日
当社は、医療機関連携サービス「PiCls Connect(以下、本サービス)」を開発し、本日より全国の医療機関に向けて提供を開始いたします。
「PiCls Connect」は、医療情報交換の国際標準規格である「HL7 FHIR」を利用し、医療機関同士が患者紹介を行う際にやり取りする紹介状や検査画像等の医療情報を、安全にオンラインで共有できるサービスとして開発いたしました。現在提供中の医療文書作成サービス「DocuMaker Cloud」と合わせて利用すると、紹介先医療機関へ渡す紹介状(診療情報提供書)の作成と送付が簡単に行えます。また、医療DX施策の一つである「電子カルテ情報共有サービス」や当社製品とも連携することで、厚生労働省が推進する「全国医療情報プラットフォーム」の構築を支援いたします。
本サービスは、千葉大学医学部附属病院にて、8月4日より運用を開始いたしました。当社は、この稼働実績を基に、本サービスの展開を全国の医療機関へ向けて進めてまいります。
厚生労働省が現在推進している「電子カルテ情報共有サービス」は、退院サマリや診療情報提供書といった「3文書6情報」の情報共有を通じて、医療機関が患者の医療情報を安全かつ効率的に伝達し合うことを目指しています。
現在の医療連携では、医療機関同士が患者の紹介や逆紹介を行う際、紹介状や退院サマリといった文書情報に加え、CTやMRIなどの検査画像も共有する必要があります。しかし、「電子カルテ情報共有サービス」は、文書のやり取りが中心で、大容量の検査画像データの共有は予定されておりません。当社は、文書だけでなく画像もオンラインでセキュアに共有できるサービスが、今後の医療連携に不可欠であると考え、本サービスの開発に至りました。
PiCls Connectは、医療機関間の情報連携をオンラインでスムーズに行えるようにするクラウドサービスです。3省2ガイドラインに準拠した安全なクラウド環境の中で、他医療機関への紹介に必要な診療情報提供書や検査画像などの情報を、オンラインで交換できます。
紙やCD・DVDを用いた診療情報の受け渡しとは異なり、紹介元と紹介先の医療機関間で事前に直接医療データを送受信できるため、患者来院前に患者情報の確認を行い患者の受け入れ準備などを効率的に行えます。また、標準搭載のチャット機能により医療機関同士のコミュニケーションを促進します。
診療所、急性期病院、慢性期病院といった様々な医療機関を本サービスで繋ぐことで、患者の外来診療、入院から退院後に至るまで、シームレスな病診連携や病病連携をサポートし、質の高い医療の提供に寄与します。
さらに、当社のオンプレミスシステムである紙・デジタル文書管理システム「C-Scan」や、紹介情報管理システム「PDI+MoveBy」を組み合わせることで、電子的に連携された紹介状と検査画像を、電子カルテやPACSに転送する事も可能です。
■ PiCls Connect製品ページ:
当社は、地域医療のDXを推進するクラウドサービスブランド「PiCls」のもと、「PiCls Connect」の機能強化を進めてまいります。文書と検査画像の送受信に加え、医療機関同士で予約調整のやり取りができるサービスも追加することで患者紹介業務のオンライン化を目指します。医療機関と患者を繋ぐ「PiCls Medical Avenue」や医療機関と薬局を繋ぐ「PiCls AAdE-Report」、在宅診療を支える「PiCls On診」、そして医療機関と医療機関を繋ぐ「PiCls Connect」を提供し、地域全体で患者情報を共有できるプラットフォームの構築を支援します。
当社は、まだ世の中にない新しい発想・技術の提供を通して、地域医療の質の向上と医療従事者の業務効率化に貢献し、誰もが安心して暮らせる地域包括ケアシステムの実現を目指してまいります。